プロフィール

noguchiizumi

Author:noguchiizumi
野口泉
オイリュトミスト
武蔵野美術大学映像学科卒。
2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」)などを開催。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。

sns
Instagram
おすすめ書籍など
FC2アフィリエイト
PR
お財布.com - 無料で手軽に貯まる魔法のお財布
最新記事
アルバム
月別アーカイブ
リンク
CopyRight (C) 2010- izumi noguchi

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コウモリの聴く音楽


大都市に点在するコンコースなどの空間において、過度に行き交う人々の中にまぎれて歩いている時、
ふと、「もしもこのすべての人たちが音符だとしたら、この空間はいったいどんな音であふれているのだろう?」
と思うことがある。

答えを想像してみれば、さだめしそこにあるのは果てしなく続く不協和音ということになるだろう。

一定の長さの期間を並走し、様々の角度、強度の接点を持ちこそすれ、決して交わることのない、一つの線が個人の生であるとするならば、
そのような始まりも終わりもまちまちで長さも太さも違う直線同士が、たとえば渋谷駅界隈の雑沓で同時空にいとも容易く行き交い、コミュニケーションがあたかもそこかしこに存在しているかのように見える不思議さ。そしてその一寸の眩惑ののちの同じ空気を呼吸していることの確実さ。

コウモリは人間には聞こえない周波数の叫びをあげながら飛んでいるという。
声が物にあたって反射し、物のあることを知るために、どんな暗闇の中でも平気で飛べるのである。
なんと驚いたことに、ある種のコウモリの仲間は、いくつかの声をハーモニーにしてだすこともできるそうだ。
彼らは雑沓の中の、わたしの発する個体音をも聴きわけるに違いない。

一般的に、コンサートやお芝居などを鑑賞する場合、人はステージ上の表現者と観客席側の観客とに分かれ、
観客側がステージ上の表現者のふるまいを観察する、という構図をとる。

しかしコウモリの立場からすれば、その二項対立はさっそく意味をなさない。
すべての人が発する超音波音が、それぞれ固有の音色を発しているだけだからだ。

人間の概念には、はっきり二つに分かれた流れも、この極端に高い音をだす為のみごとなのどと、かすかなこだまをも聞き逃さぬ大きな耳の持ち主には一つのシンフォニーを奏でるのかもしれない。


スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。